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本屋で涼めば

2020/07/27

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AkiSato

きょうも蒸し暑い。薄手のシャツなのに、汗が吹き出してくる。なんでこんな日にうどん食べちゃったんだろう。って、もう遅い。「暑い、暑い」と10000回言ったって、熱が放出されるわけでもないのに、言ってしまう。もはや、「暑い」と言うこと事態が、「マイ風物詩」。

熱はお天道さまのものかビルヂング(昔の人って、ビルヂングってよく言いません?)のものかもはやわからないが、とりあえず逃げるために駅ビル内の本屋へ入る。もちろん、涼むため。おそらく同じ目的で入ったであろう中年サラリーマンがハンドタオルで汗を拭いながら、書架に並ぶ新刊を興味なさげに眺めていた。御意。

でも所在ない感じで店内を歩くと、「あ、本屋って久しぶりだ」と体が思い出してくる。普段はあまりじっくり見ない棚も、時間は有り余っているからゆっくり眺める。「片付け関連の本だけでこんなにあるんだ、、、」「一人暮らしを楽しむ本なんてあったか、、?」コロナ禍で乾き切っていた心の隅っこに、冷たーい水がちょびちょびと注がれるような、新鮮な感覚が体に走る。一方で自己啓発系の本は、背表紙を見るだけでなぜかおなかいっぱい。「がんばれ」って勝手に言われているようで息苦しくなる。


買いたい本が実はあったのだが、今日は暇だから自力で探してみようと冒険スイッチが突然入った。お目当ての本は、今年1月にテレビドラマ化された、精神科医が主人公の物語だ。阪神・淡路大震災で被災者の心のケアに努めた安克昌先生。テレビドラマは全4話で、被災者に寄り添う姿、そして自らも闘病しながら「生や死」とまっすぐに向き合う姿がとても印象的で、3回も視聴した。

しかし、一般書の棚を3往復くらい目で追うが、見つからない。「そういえば片付け本の左に、セルフメンタルケア、、、とかあったな」と思い出し、ふたたび片付け本の前へ。全く興味の湧かないセルフメンタルケア本周辺を腰をかがめつつ見回したが、ない。結局、15分ほどうろうろして、あえなく店員の力をお借りすることに、、、。


「あの、すみません、本を探しているんですが」

「はい、」

「『心の傷を癒すということ』という本で、、、」と言って、急に恥ずかしくなるわたし。

(私は、別に心に傷があるわけでも、癒されたいわけでもないんだけど、、、いや、すごくすごくいい物語なんですよ!ちょっと題名がストレートなだけで、はい!…)と訴えるようにレジかぶりつきで検索機をいじる店員を見ていたら、冷たく

「あ、ちょっと下がってお待ちくださいね」。

(あぁ、熱くなりすぎて、わたしとしたことがソーシャルディスタンスを忘れているではないか!)


とわちゃわちゃ考えているうちに、店員がツカツカ。

「申し訳ございません、只今在庫がなくお取り寄せになってしまいます」。

もう私には、お取り寄せをお願いする余裕はなくなっていた。

「あ、はい、、、ありがとうございました…」


涼みタイムの最後にじんわり熱くなった午後だった。



この記事を書いた人

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AkiSato

仙台放送アナウンサー、テレビ神奈川アナウンサーを経てフリーランスに転向。映像制作のほか実況、司会業も

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